部位別の代表的な症状

首の痛み / 上肢痛・しびれneck upper-limbs

代表的な疾患

頚椎椎間板ヘルニア

背骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板の線維輪が、経年変化あるいはねじれや圧迫などのストレスによって断裂し、その断裂部から髄核が外に押し出されてしまう状態です。

30~50歳代に多く、しばしば誘因なく発症します。悪い姿勢での仕事やスポーツなどが誘因になることもあります。

主に上肢の痛みやしびれを引き起こします。

画像:頚椎椎間板ヘルニア

頚椎症性脊髄症

まず加齢変化により椎間板の膨隆・骨棘の形成などが起こり、頚椎の脊柱管の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。

比較的日本人の脊柱管は狭いため欧米人に比較して症状が生じやすくなっています。

上肢のしびれや痛みの他に歩行障害や巧緻運動障害を生じます。

画像:頚椎症性脊髄症

肩の痛みshoulder

代表的な疾患

五十肩(肩関節周囲炎)

中年以降、特に50歳代に多くみられることより「五十肩」と呼ばれます。

関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。

リハビリで症状が改善することが多いです。

画像:五十肩(肩関節周囲炎)

肘・手首・手の痛みelbow hand

代表的な疾患

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

手首や指をそらす筋肉は上腕骨外側上顆に付着しています。橈骨手根伸筋や総指伸筋を使いすぎることで痛みを生じます。

テニスプレーヤーに多く見られることより別名テニス肘と呼ばれます。フライパンなどをよく使う調理作業でも症状が出やすいです。

画像:テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

ばね指(腱鞘炎)

指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが腱鞘(けんしょう)と呼ばれるものです。その構造はベルトとベルト通しの関係に似ています。
指を使いすぎることによってその部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると腱が腫れてコブを作り、これが引っ掛かるようになります。 これを“ばね指”と呼んでいます。

画像:ばね指(腱鞘炎)

突き指

~放置すると危険、腫れたら必ずレントゲンを~

「突き指」は、その名の通りボールや物で指を突いて起こるケガの総称として広く一般的に用いられています。

「突き指」には、骨折や脱臼、腱や靭帯の断裂などが隠れています。中にはすぐに手術が必要なこともあります。

専門医の診察とレントゲン撮影や超音波検査などによる正しい診断と適切な治療を受けることをお勧めします。

画像:突き指

腰の痛み / 下肢痛・しびれwaist

代表的な疾患

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は線維輪と髄核で構成されており椎体と椎体の間でクッションの役目をしています。
線維輪が加齢などにより変性し断裂して、その隙間から髄核が飛び出て神経に当たります。

悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。
正確な診断にはMRI検査が有用です。

画像:腰椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症

特徴的な症状は、間歇性跛行(歩行と休息を繰り返す)です。
背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、お尻から足にかけてしびれや痛みが出ます。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。
進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。

脊髄の神経が通るトンネルを脊柱管といいます。加齢により背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって脊柱管が狭くなり(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。
椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いようです。また背骨を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、前に曲げると広がるので、間歇性跛行が起こるのです。

画像:腰部脊柱管狭窄症

股関節の痛みhip

代表的な疾患

変形性股関節症・臼蓋形成不全症

股関節の形成不全という子供の時の病気、発育障害が股関節症全体の80%を占めるといわれています。
最近は高齢社会となったため、特に明らかな病気が無くても年齢とともに股関節症を発症します。

まずは水中歩行や水泳その他運動療法が推奨されますが、保存療法でも症状が取れない場合は手術療法を考えます。
初期のうちは自分の骨を生かして行う骨切り術の適応ですし、関節の変形がすすんでいる場合は人工股関節手術の適応となります。

画像:変形性股関節症・臼蓋形成不全症

膝の痛みknee

代表的な疾患

変形性膝関節症

原因は関節軟骨の老化によることが多く、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形します。

症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や湿布を使ったり、ヒアルロン酸の関節内注射などをします。また大腿四頭筋強化訓練などの運動器リハビリテーションや物理療法を行ったり、足底板や膝装具を作成することもあります。

症状が進行した場合は手術を行います。関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。

画像:変形性膝関節症

予防・対策

  • ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える
  • 正座をさける
  • 肥満であれば減量
画像:予防・対策

足・足首の痛みankle

代表的な疾患

足関節捻挫

スポーツなどのほかに、歩行時でも段差などで生じることがあります。

捻挫とは関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。足関節では前距腓靱帯が最も多く損傷します。

捻挫は損傷程度によって三つに分けられ、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、完全に切れるものを3度捻挫としています。

画像:足関節捻挫
画像:足関節捻挫